無敵の人(予備軍)日記

2022年8月時点では、Quoraに書いた文章の転載先として開設しました。無敵の人の成り立ちを描きたいと思います。

日本の会社が指示待ち族を量産してきた理由は何でしょうか?

「日本の会社が指示待ち族を量産してきた理由」を「梯子外し」というキーワードで解説します。

(古い体質の)日本の組織は「梯子外し」をするんですよ。ある方向に誘導しておいて、数度はそれで認めておいて、ある時、急に「何勝手なことをしてるんだ!」と厳しく追及します。そして、それが本当に会社にとって問題だから追求するわけではなく、「従業員教育」を目的としてそういうことをします。

この従業員教育というのは、「従業員の生意気さを矯正する」「仕事が出来るからと大きな顔をさせない」「誰が上なのか分からせる」「業績を上げるも上げられないも、上の胸先三寸」ということを体に叩き込む目的です。もちろん急にやると辞めてしまうので、逃げ道を塞ぎつつ、色んな合わせ技で、徐々にそういう状態に持って行きます。また組織内の協力体制は非常に強固です。

余談ですが、こうして「上への恐怖を徹底的に叩き込み、従順に育てあげた人材」を、古い体質の会社は「この会社が大切に育てた人」と呼びます。

これ経験すると、いつ梯子外しモードが発動するか分からないので、された本人はもちろん、周囲で目撃した者も「スタンドプレーはしない」「自己判断はしない」「指示が無いことはやらない」「指示を文書で下さい」人間になります。非常にコントロールの行き届いた組織になります。

また、こういう組織では、残っている従業員は「生き残るためには単独行動をしない」という戦略を取ります。単独行動をしていると、いつ口裏合わせて梯子外しされるか分からないので、いつも用件に対して多過ぎる人数で参加し、互いに監視し合いつつ互いの身を守り、エビデンス作りに余念がありません。

1人で済む外出に5~6人で参加し、待合場所には全員1時間以上前に到着しています。「誤った時間を伝えておいて、伝えた人は正しい時間を言ったと言い張る(それを聞いたと証言する人物も現れる)」のは、梯子外しの常套手段だからです。

こういう所では、「後から指示の内容を書き換えられない」ように、「指示を受けたら、その内容を関係者一同に電子メールで送信して、それをさらにプリントアウトして日付印を押して、日付印の近傍に受信時間や自分のメモを手書きして、その紙を隠し持ち、さらに時計と紙を一緒に撮影しておく」なんて備えを日常的にしています。これが「日本は紙を止められない」と言われる所以です。電子データだと後から改ざん出来てしまいますから。

こういうことをしているので、(古い体質の)日本の会社の生産性が高くなるわけがありません。

また、こういう手法を駆使する集団を「村社会」と呼びます。会社に限りません。

(※転載歓迎。※拡散歓迎。広めてください。)

初出:2022年1月6日