無敵の人(予備軍)日記

2022年8月時点では、Quoraに書いた文章の転載先として開設しました。無敵の人の成り立ちを描きたいと思います。

定型の人を外部として観察し続けたサラリーマン経験から言います@発達障碍者のためのライフハック

指示が抽象的でわかりにくく、指示を確認して作業してみても反応がなかったり低評価され、自分なりに考えて違うアプローチでやってみても否定しかせず、そもそもご自身が完成図を描けていないんじゃないかというような上司の元で、これ以上なんの作業や行動をしてよいかわからなくなり途方に暮れてしまっているのですが、どうしたらよいでしょうか?定型発達の人もこのような上司の元では働きにくいと思いますが、やはり定型発達の人であれば打開できるのでしょうか?

定型の人を外部として観察し続けたサラリーマン経験から言います。

その上司は性質がよくない人です。残念ながら、定型サラリーマン社会では、そういう人は出世しやすいです。定型の部下なら、こう思いながら働きます。

「あー、このオッサン、なんも分かってないわー。しゃーないから充てにするのはやめとこ。いちいちまともに聞いたりしないで独断で適当に片づけて、形式だけ報告して、うまく行ったときだけ適当に持ち上げておこう。(怒られても、その場で適当に流しときゃいいわー)」

ちなみに定型の上司の方はこう思ってます。

「こいつ、何度も似たようなことを聞いてきて、これだけ足蹴にしたんだから、そろそろ『聞くな』という俺のメッセージを察してその通りにしろ。本当にしつこい奴だ。」

まさに、この模範的現場猫のノリです。まじめすぎる猫は卒業しましょう。
https://qph.cf2.quoracdn.net/main-qimg-19c1f8d5493cb4d5feada0d22a508a34-lq


初出:2021年10月19日

毒親持ちの人が環境も周りの人間関係も恵まれないのはなぜですか(毒親持ちで毒親に似た性格の人などが近づいてくるなど周りの人間関係も恵まれないとか理不尽すぎる)?

大多数の(毒親に育てられていない)人は、変な人・危険な兆候のある人を察して避けるんです。ところが、毒親に育てられた人は、まず最初に出会う人間である親が、その変な人、危険な人そのものだったから、それが当たり前になってしまっていて「逃げないといけない」と気づくことが出来ないんです。

一方、逆サイドに立って、変な人・危険な人の側から考えてみると、大多数の人間が自分を避けていなくなる一方で、何をしても逃げない、受け入れる人間がいることになります。こうなると、必然的に、その逃げない人間に依存したり、利用したりすることになります。

毒親に育てられた人の周囲にも、普通の人も、いい人もいると思うんですよ。ただ、そういう人は、その人(毒親持ちの人)を選んで関係を持つ動機は無い。一方、変な人・危険な人のそばには、珍しい逃げない人間しか残らないので、その逃げない人間と関係を持つことになるし、その貴重な人間を繋ぎ止めようと画策することすらある。このような選抜が働いた結果、恵まれない人間関係になる傾向があると思います。

逃げていいんですよ。むしろ逃げるべきです。私はそう伝えたい。

初出:2021年3月20日

何をやっても怒られてしまいます@発達障害者のためのライフハック

実社会で、こういう時はこうするのだなと怒られた経験から学び、正しいことであっても、自分が他の人に同じようにすると、煙たがられて相手にされないか、相手にされても逆になぜか説教食らったりやはり怒られてしまいます。稀に落ち着いて建設的に相手してくれる方も現れますが、基本的には何しても怒られたり疎まれることや日々ばかり続くので滅入ってメルトダウンを起こしてしまいます。医師は自分を大切にと言いますが、自分の感覚を尊重して行動すると、もっとひどく怒られたり嫌われたりします。どうしていいのか本当にわかりません。何がそんなに人から疎まれさせるのでしょうか?

 

自分の経験から、もしかしたら、こうなのかもしれないと思うことをお伝えします。こうと決め付けるわけではなく、可能性のひとつとして。

社会に出ると、色んな人がいます。特に仕事で関わる場面では、利害関係、損得勘定を剥き出しに行動する人がいます。たいへん言いにくいのですが、あまりレベルの高くない職場ほど、同じ集団内の人間に対する態度が、剥き出しになる傾向が強まります。重ねてたいへん申し訳ないのですが、人間関係が不得手な発達障碍者(弱気)タイプが辿り着く職場は、そういう場所であることが多いのです。

理不尽なことで怒り、説教し、相手を振り回すのは、上下関係を作り、支配するための常套手段です。一貫性の無い高圧的な態度で接し、萎縮させ、自分に従うように仕向けます。

その「稀に落ち着いて建設的に相手してくれる方」がたぶん中立で、おそらく他の人は、発言者さんを舐めていて、強気に出れば従うと分かっていて、理不尽なことを言って振り回しているんじゃないかと思います。

発達障碍者は「自分は間違っている、みんなは正しい」と思っていて、変な人に気づかず、まともに取り合う必要のないことも、真面目に受け止めてしまう傾向があります。自分に原因があることもありますが、相手に原因(動機)がある場合もあります。

私もこれを読んで思いました。「ご自身を大切に」って。変な人からは逃げてください。変な集団からも逃げてください。すぐ動けなければ、まともに受け止めず受け流してください。

 

初出:2021年10月5日

「持たざる者」に問います。「持たざる者」にしかわからないことはなんでしょうか?自身が「持てる者」になった暁にはその「わからないこと」は忘れてしまいたいでしょうか?

「持てる者」から「持たざる者」に転落したため、両方が分かる者です。その持てる対象は、他者から尊重されること(尊重される立場)です。持たざる者になる前は、無邪気に、自分の受けているものは自分の実力であり努力の結果であり、他の人も同じようにすれば簡単に手に入るのに、実力が無いか、心がけが悪いか、間違った方向に努力しているために結果につながっていないだけだと思っていました。ネットなどで嘆く声を目にしても、本人の責任だと思っていました。

「持たざる者」の世界に転落してから、そのような立場にいる人が、いかに最初から無理ゲーの世界で生きているか、いかに尊厳を削られた中で生きているか、いかに作られた悪意の世界で自分もその一部に加担することを強制されているか(それこそが、作られた悪意の世界を維持する仕組みであることを)、理解するようになりました。世のお父さんがどうしてストレスを溜めているか、どうして酒に逃げる人がこんなにいるのかを理解するようになりました。

以前の世界に戻ることはもう二度とないと思いますが、絶対忘れないと思いますし、持たざる者を差し置いて自分だけが甘い汁を吸いたいとは思わないので(上記のような世界を維持する仕組みの一つに、その世界の中である程度耐えていると、甘い汁を吸う誘惑が度々来ることがあります)、この世界の中の「(比較的)持てる者」側に行くことも無いと思います。

初出: 2020年3月8日

「仕事ができる人」と「出世する人」は違う事が多々ありますが、どのような事が起きているのでしょうか?

日本の大多数であるブラック寄りの中小企業の解説をします。そういう組織では、これは明らかに違う特性の人の仕事です。

仕事ができる人には、一生プレイヤーでいてもらった方がよいのです。大体仕事が出来る人というのは、プライドが高く、金のために汚れ仕事をやりたがりません。職人的にプレイヤーでいることを望みがちです。

出世する人に求められる能力は「他人に仕事をさせること」です。自分の配下の人間に、常に、前回よりも高く早い成果を要求し、情け容赦ない取立てが出来ないと務まりません。この時、なまじっか自分が仕事が出来ると、これ以上の速度や質は要求出来ないとストップがかかります。このため、本人は全く出来ない方が都合がよいのです。自分にはとても出来ないような仕事を、平気で他人にガンガン要求出来る、そういう特性の人が向いています。

「管理職が出来る人」は貴重です。殆どの人間には、こんなことは出来ません(これを書いている私も)。

また、その人が出世したという事実が示すことは、その人の上司の手柄をたくさん作って差し出したということです。そういう動き方は、一般にプレイヤーとして優秀な人には無理で、むしろ、そういった動き方に嫌悪感を持つ人が多いのです(@技術系)。こういう組織で、仕事ができる人が出世しないのは、もはや必然と言えましょう。

初出:2019年12月15日